チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年6月23日
カルマ・サンドゥップ氏の裁判が始まる
6月22日付AP
http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=27571&article=Tibetan+environmentalist+goes+on+trial+amid+claims+of+police+torture
によれば、先日お知らせした、環境活動家カルマ・サンドゥップ(42)
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51467955.html
の裁判が火曜日(6月22日)新疆ウイグルで始まった。
裁判には彼の妻と弁護士が同席を許された。
彼は今年1月3日に逮捕されたのち、新疆ウイグル自治区の焉耆回族(バルスク・カザフ)自治県のイエンチー(ウルムチの南南西約200キロ)で6カ月以上拘束され尋問を受けていた。
妻のZhenga Cuomaoはやつれ果てたカルマを見て「声を聞くまで、彼だと判らなかった」とAPからの電話に答えたという。
カルマ・サンドゥップは法廷陳述の中で尋問中に受けた拷問について語ったという。
「数か月間に及んだ尋問の間、係官は私を撲打し、数日間不眠を強制した。薬を飲まされ、鼻と耳から出血した。数時間、髪の毛だけで吊り下げられた」等と。
この日の法廷は朝10時から、夜11時まで続いたという。
拷問その他についてはもっと詳しくウーセルさんのブログに掲載されている。
http://woeser.middle-way.net/2010/06/blog-post_6719.html
どなたかに訳してもらいたいぐらいだ。
その他、カルマさんの奥さんが自身のブログで詳しい報告を逐次更新されている。
http://drolkar.blog.sohu.com/奥さんのつらい心情が察せられ、読むのが苦しいほどだ。
私は翻訳ソフトでしか読めなので、翻訳は控える。
彼は相当痛めつけられたようだ。
それでも、彼は本物のカンパだった。
正気を失わず、生き残り、恐れずにこうして法廷で拷問の事実を証言している。
—————————————————————–
追記;朝日の記事
<世界の独裁者、金総書記1位 中国主席10位 米誌番付>
【ワシントン=村山祐介】米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」(7・8月号、電子版)は、世界の独裁者23人の番付をまとめ、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記を「世界最悪」の独裁者に選んだ。中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席も10位に入った。
同誌は、金総書記を「乏しい資源を核計画に費やしながら国民を窮乏させ、数十万人を収容所に送り込んだ」と講評。胡主席は「外国人投資家をほほ笑みと会釈でだます一方、反体制派を残忍に抑圧するカメレオンのような暴君」と評した。2位はジンバブエのムガベ大統領、3位はミャンマー(ビルマ)のタン・シュエ国家平和発展評議会議長。イランのアフマディネジャド大統領は8位だった。
同誌によると、世界には少なくとも40人以上の独裁者がおり、ランク付けした23人の独裁者の下で19億人が暮らしているという。
朝日新聞 2010年6月23日
http://www.asahi.com/
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)