チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年9月10日
中国軍がインド国境を侵犯し、石や岩を赤く塗った
写真左(AP)の保存状態のよいリアルなミイラは675年前のチベット僧のそれだそうです。
インド、スピティ谷の東の端、中国国境に一番近いギウという村に安置されています。
瞑想の姿勢のままミイラ化した僧で、その髪と爪は今も伸び続けているとか?
良く見ると確かに僧侶の頭には髪が生えてる!
極度に乾燥した西チベットの瞑想洞窟では、きっともっとたくさん自然にミイラになるまで瞑想した修行僧がそのうち発見されることでしょう。
それにしても、どうしてこのミイラが僧侶だったと判明したのでしょうか?
きっとこのミイラは中国に向けて座っている、座らされているに違いない。
「プゥゲロー!(チベットに勝利を)」と叫んでいるごとくに、見えるから、、、
気のせいですが。
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ところで中国軍は最近、その近くのインド国境を故意に侵犯したそうですが、そのやり方がまた可愛いというか、子供っぽいというか、中国っぽい。
9月6日レー:ヘリコプターで国境上空を侵犯した後、中国軍はラダックの国際的に承認されたインド・中国国境を侵犯し、その付近の石や岩を赤いスプレーで塗った。
国境上にあるギャ峰付近のインド側に1.5キロ侵入した、とインド政府が発表した。
国境侵犯は、レーの東にあるチュマールと呼ばれる地区であり、付近のいたるところの石や岩の上に「中国」と赤いスプレーで書かれていると報告された。
6726mのギャ峰は別名「fair princess of snow(美しく公平な雪の王女)」と呼ばれジャム・カシミール州のラダックとヒマチャル・プラデッシュ州のスピティそしてチベット三つの境界点であり、インド・中国双方から国際的国境の山と認められている。
7月31日国境警備隊がズルン峠沿いの石や岩にこの赤いマーキングを発見し、中国軍が侵入したことが判明した。
インド軍の上級将校の話では「現在三人のインド軍将軍が北京とラサを訪問中なので、このことは今のところ控え目に扱われているのだ」という。
以下略
インド軍もこの地区の国境線の警備と付近の検問を強化し、緊張が高まっているという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)