チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年5月7日
ニューヨーク州・州議会に招かれた法王
5月6日、法王は朝ニューヨークでCNNのインタビューに一時間ほど応じられ、
その後、飛行機で半時間のところにある、ニューヨーク州の州都オールバニAlbanyを訪問されました。
まず州議会(上院)に招かれそこで短いスピーチをされた後、市内のパレス劇場で2800人の聴衆を前に講演をされました。
そのうち議会における法王の発言の一部のみ以下にレポートさせて頂きます。
http://www.tibet.net/en/index.php?id=910&articletype=flash&rmenuid=morenews
オールバニに到着後直ちに州議事堂に向かわれ、議会多数派のリーダーMalcolm A. Smith氏に迎え入れられました。
議会入口の前で少数派のリーダーDean Skelos氏にも迎えられ両氏と共に議会に入場され、その日の開会を宣言されました。
その短いスピーチの中で法王は議員に向かい「私はこの場に立っていることを非常に嬉しく、名誉なことだと思っている。
ここで、アメリカの自由と、正義と、民主主義の価値に対し深く尊敬していることを表明することができて嬉しい。
これらがあなた方の真の価値なのだ」と語られた。
ニューヨークには度々来たが、ここに来るのは初めてだ、ともコメントされた。
法王は派閥ごとに別けられている議員席を眺められ、ジョークで「私は自然に少数派を応援したくなるのだが、つまりこの場合には共和党に共感しているということになる、ハハハハ、、、」
これは議員に大いに受けみんな大笑いしたとか。
法王はまじめな話に戻られ、「議会は真にアメリカの民主主義のシステムを示しているところだ。
法律に基づき完全な報道の自由が約束されている。
これこそがアメリカの力だ。
超大国がこのような価値を持っていることは本当に素晴らしいことだ」と話された。
さらに「人間の行動の質は、それが宗教的講話であろう、政治的なものであろう、最終的にはすべてその個人の動機による。
たとえ良いシステムが存在していても、それに関わる個人の動機が正しくないならば、効果はあまり期待できない。
正直で率直であることが大事だ。これらは慈悲に大いに関係しているのだ。慈悲が我々の行動の起動力なのだ。
慈悲の心が正直さ、率直さ、オープンさをもたらし、それがそれぞれの家庭やコミュニティーに良き雰囲気をもたらす」
「個人のレベルにおいても慈悲の心は健康に大層役立つ。
医療科学者も慈悲の心は、我々に内的な力、自信、心の平安をもたらすという意味で健康維持に欠くべからざるものだと言っている」
と慈悲の心の大事さについて説かれた。
終わりかけたころ法王はもうひとつジョークを飛ばされた。
「会場に入ってきて、中央の席に座らされたので、何かに当選したのかと思った。
すぐに、それじゃ、、、民主党に加わろうか?共和党にしようか?それとも両党に対抗するために新しい党を作るべきか?と考えたものだ、ハハハハ、、、」
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パリは名誉市民賞を法王に与えたし、ニューヨーク州議会も法王をお呼びした。
東京は?
東京都議会でなくてもいい、どこか日本の地方自治体議会が法王をお呼びして、話を聞くということはいつ始まるのでしょうか?
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法王はNYで中国の学者、反体制活動家たち120人と会談を行いました。
その中にはHarry Wu, Dr. Yang Jian Li, Xu Wen Li, Hu Ping等有名な中国反体制派の人々が含まれていました。
5月7日法王はインドへ帰国されます。
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後からの、思い出しで、すみません。
訂正が一つありました。
先の4月25日、アムド、ラプランで起った学生たちによるデモの話です。
このときにデモの写真として載せたものは、確か去年3月に行われた西南民族学院のデモの写真だと思います。
他のソースの誤解をそのまま踏襲してしまいました。
その時、変だなこの写真以前に見たことがあるような、、、と思ったのと、
「サンチュ中等学校」の生徒がデモと記事にあったので、写真のチベット人が大きいなとも思ったのです。
写真はじつわ次の日に下ろしました。
昨日Voice of America放送でこの中学生達のデモの様子が映し出されました。
こぶしを上げて叫んでいる子供たちも写っていましたが、ほとんどは走って逃げていくシーンが多かったようです。
大勢いました。
放送では「15歳から17歳の生徒」と言っていましたが、見た感じはもっと幼く見える子供達も沢山いたようでした。
中国軍のトラックが子供たちの行く手を阻むように道を封鎖していました。
衝突や逮捕のシーンは写っていませんでした。
それにしても、こんな全くの子供たちがデモしているのを見るのは、奇妙というか、ショックでした。
この後の消息は伝えられていませんが、心配です。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)