チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年12月6日
<チベットの問題は数日で解決できる>と法王
12月4日、ダライ・ラマ法王はブルッセルで開かれているEU議会に招待され、演説された。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23351&article=Dalai+Lama+says+China+lacks+moral+authority+to+be+a+superpower
法王は満場の拍手と共に、会場に迎え入れられた。
議員の中にはチベット国旗を振るものもいたとか。
議長のハンス・ゲルト・ポエテリング?(The EP president Hans-Gert Poettering)
氏は「(EU)議会は引き続き、文化的、宗教的アイデンティティーに対するチベット人の権利を守り続ける」ことを約束した。
彼は又、中国首脳部に対し、ダライ・ラマ法王との「意味ある話し合い」を始めることを要望した。
その後の記者会見にて、法王は
「中国は超大国になりたがっている」
「だが、そのためには必要な大事な要素がある、道徳的権威。それが中国には欠けている」
「人権が無視され、宗教の自由、表現の自由、報道の自由(検閲だらけだ)が無いが故に、中国のイメージは道徳的権威の面ではひどいものだ」
「心ある中国人は中国も世界から尊敬されるためには、今後この面にもっと関心を持つべきだと考え始めている」と話された。
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昨日12月5日、法王はポーランドのグダンスクに到着された。
これから8日間ポーランドに滞在される。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23359&article=Dalai+Lama+arrives+in+Poland+for+eight-day+visit空港でAFPの記者に「友人のレッチェ・ワレサ氏が活動をはじめた、歴史的<連帯>運動発祥の地に来れて、私は非常にハッピーだ」と語られたとか。
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<チベット問題の解決は可能だ>と法王
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23364&article=Solution+to+Tibet+Issue+Posible%3aDalai+Lama法王は、元連帯リーダー、元首相のレッチェ・ワレサ氏ノーベル平和賞受賞25周年記念行事の席上、若者のグループを前に話された。
「もしも中国がもっと開けた社会となり、民主主義が根付き、法治国家となり、報道の自由が実現するなら、チベットの問題は、<数日間で>解決できるであろう」
「もしも、中国の首脳部が常識を使い、現実的アプローチというか、現実に向き合うことを知れば、全体主義体制の中においても解決を見出す可能性はあるだろう」と。
しかし、そのあと「でも自分たちにはどうしようもない、、、、そうなることを期待するだけだ”it is not in our hands … I can just hope.”」
と付け加えられた。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)