チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年10月7日
亡ガンデン・ティパの奇蹟
http://phayul.com/news/article.aspx?id=22935&article=Former+Ganden+Tripa+Stays+on+’Thukdam’+for+18+Days
先のガンデン・ティパ(ゲルク派の学僧としての最高位)トリスール・リンポチェは心肺停止状態のまま18日間、10月1日までその体温を保持し続けたという。
この現象はチベットでは<トゥクダム(心明)>と呼ばれ、本物の修行者の証とされる。長期に渡り密教の瞑想をなした者だけがこの現象をあらわすことができると信じられている。心拍停止後も無上ヨガタントラでとかれる<クリアーライト(不生の光明)>の状態に留まっている証拠とされる。
ダライラマ法王も先のティーティングの最中にもガンデン・ティパのこの偉業に対し称賛をしめし、早く専門家がこの現象を証明すべく現地に向かうべきだとおっしゃっていました。
南インド、モンゴットにあるデブン僧院に安置されていた、ガンデン・ティパの遺体?の許にダラムサラから東洋、西洋の医者が送られた。
そのほかインド人の医師も診察したという。
どの医者もこの不思議な現象にただ驚くばかりだったという。
アメリカ、ウイスコンシー大学のリチャード・デービッドサン教授の指導の下、EEG,ECG,体温等を正確に科学的に記録したという。
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さてさて、まだ詳しい資料発表されていないので、これだけで信じることはできませんが、いずれ本当なら医学的奇跡としてきっと学会で発表されることでしょう。
奇跡というより、本当なら詳しい解明説明を聞きたいですね。
なおリンポチェの遺体はミイラにされるそうです。
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法王は昨日、午後4時半頃、ラサ北方90キロにあるダムシュンを中心に起こったマグニチュード6,6の地震により、犠牲となった、9人の死者と19人の負傷者に対し、デリーの病院で供養の祈願法要を行われた。
http://www.dalailama.com/news.295.htmダムシュンと言えば、万年雪を被るニエチェンタングラ山脈と天界の美しさを持つナム湖を思い出す。
「チベットを知る夏」のために急ぎ自費出版した、「受難と祈りーチベット証言集」の中、1959年ジャンパ・プンツォック氏が体験した、壮絶な戦いの場ともなったところだ。
被害の調査が進むにしたがい、犠牲者の数はさらに増えると思われる。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)