チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年6月20日
放送予告、チベット人のデモインド、ネパール、スイス、そしてチベット
<ラサ騒乱の証言者ソナムのインタビューがNHKで放映される>
先ほどNHKのデリー支局からメールが来て、いよいよ5月初めに撮った、ソナムのインタビューがオンエアされるそうです。
来週月曜日「おはよう日本」の中で放送される予定。
ただしまだ最終決定ではないとのこと。
ラサの3月14日のデモに自ら参加し、友人がすぐそばで中国兵の銃弾に倒れるのを目撃した。その他沢山の証言が生で聞けるはず、、本当は一時間以上話たからな、、、きっと超短いのかな?大事なとこは抜かさないでよね。
先の5月4日と7日のブログを参照ください。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2008-05.html?p=5#20080507
日本にいないので私は見れない!
誰か録画して送ってほしい、がそんなことできないか。
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<各地のデモ>
チベット人はオリンピックトーチがラサに明日到着をいうことで、各地でデモを行い逮捕されている。
19日にはヒマチャル州のシプキラ峠をチベット国旗を広げて国境を突破しようとした二人のチベット人青年が逮捕された。一人はチベット民主国民党代表のチメ・ユンドゥン33歳とTYCのクンチョック・ヨンペルそれにこれを撮影してたもう一人のチベット人も逮捕された。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=21688&article=Exile+Tibetans+protest+at+Indo-Tibet+border+on+eve+of+torch+relayこの峠はシムラからスピティに入る道路に近い。
私も大昔行ったことがありますが、国道からちょっと入るだけですぐ中国国境に着きます。リンチェンサンポが11世紀にこのあたりの西チベットに仏教を広めたころから盛んに行き来されていた道なのです。
19日には同じルートでチベット入りを目指した21人のチベット人が手前の町で逮捕された。
昨日19日ネパールのカトマンドゥでは、
中国大使館前でオリンピックトーチがラサに来ることに抗議したチベット人約900人のうち650人が逮捕された。http://phayul.com/news/article.aspx?id=21689&article=Hundreds+of+Tibetan+exiles+arrested+in+Nepal
3月のから始まったカトマンドゥのチベット人デモでこれほどまでの逮捕者が出たことはないという。
“They have been arrested for damaging the diplomatic relations between Nepal and China,” said civilian security officer Jaya Mukunda Khanal.
ネパールの公安幹部ジャヤ・ムクンダ・カナルは「彼らはネパールと中国の外交関係を傷つけたから逮捕されたのさ」と言ったそうだ。
その他スイスのチューリッヒでも18日デモが行われた。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=21693&article=Protesters+in+Swiss+call+for+China+to+cancel+Tibet+leg+of+Olympic+torch+relay+and+allow+international+media+access+to+Tibet
RFAの中でアメリカにいるJ氏が、行進の力を、毛沢東やガンジーの例を出し力説した後、「いつの日か近いうちにダライラマ法王、サムドゥン・リンポチェを先頭にチベット帰還行進が始まることを期待する」という彼らしい過激な提案?がありました。
皆様はこの提案についてどうお考えでしょうか?
彼はアメリカでの黒人市民権運動の例を出し、民主主義の国アメリカでも大変な犠牲の上に今の黒人の地位の獲得があるのだ、まして中国相手に犠牲を覚悟しなければいけないことは自明だ、とも言ってます。
実際今のジンバブエの状況を見ても命を掛けても、それでも平和闘争で人権を得ることは至難と知れます。
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<チベット内部の抗議活動>
今のチベットで中国に対し声を上げることは間違いなく命をかけることだ。
素手の特攻隊、自爆抗議行動だ。
カンゼの尼僧院の中は日本の終戦まじかの特攻隊宿舎のごときだ。
誰が次に行くのか覚悟ができたものから行く。
チベットのデモを扇動するのがどうしていつも僧侶、尼僧なのか?
もちろん宗教弾圧がひどいせいもある、しかし本当には
僧侶、尼僧たちはいったん家族を捨て、世間を捨てた人たちだ。
その上、大乗仏教の真髄、利他心を徹底的に教えられている人たちだ。
「家族のある者たちは逮捕されると大変だから声をあげられない、自分たちは一人身だ。皆の代わりに声を上げることは自分たちの義務だ。死ぬ覚悟を決めてデモに行った」と私に語った元政治犯の僧侶、尼僧は多い。
以下は19日付の委員会リリースより、
http://www.stoptibetcrisis.net/pr190608.html
6月18日カム、カンゼで一団のチベット人が平和的抗議活動を行った。
彼らはその場で打ちのめされ逮捕された。詳細不明。
6月17日、同じくカンゼ地区にあるヤツェ尼僧院の尼僧セトゥック・ラモ、イエロ、サントップの3人、及びゲマダック尼僧院の尼僧2名(氏名不詳)計5名は<ダライラマ法王に長寿を!法王がチベットに一日も早く帰って来られますように!全てのチベットの囚人を解放せよ!>と叫びながらカルゼ市内を行進した。
尼僧たちは全員、鉄パイプ等で激しく撲打の末逮捕された。
なおこのデモには一般市民も参加したという。彼らも同様に逮捕されたというが詳細は不明だ。
アムド、アバのセー僧院(チョナン派の大僧院1000人近い僧がいるはず)の僧侶が6月9日に巨大なチベット国旗を3本はためかせながら、チベット独立のパンフを配ったということで、セー僧院は次の日、軍隊に包囲された。
多量の軍人が僧院内に踏み込み、僧院を荒らしまくり、一人一人の部屋もくまなく荒らされ、多くの貴重品が盗み出されていったという。
カンゼ地区当局はインドに親戚のいる家庭の電話線を切断し、チベット人全員に対しチベットの外に直接的にせよ間接的にせよ、いかなる情報も出してはならない、と厳しい命令を出しているという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)