チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2015年5月21日
<速報>タウで新たな焼身抗議
昨日(5月20日)現地時間午後8時頃、四川省カンゼ州タウ県カンサル郷でテンジン・ギャンツォ(བསྟན་འཛིན་རྒྱ་མཚོ།)、35歳が抗議の焼身、生死不明。
タウでは、ダライ・ラマ法王80歳の誕生日を前に警戒が厳しくなり、街の至る所に部隊が展開し、愛国教育が行われているという。これに批判的態度を示したチベット人たちが暴力を受けていた。このような中国当局の態度に抗議するためにテンジン・ギャンツォは抗議の焼身を決意したと思われている。
彼が焼身した後、部隊が駆けつけ、彼を連れ去った。その後の消息は不明のままである。
彼には妻と4人の子供がいるという。
内地焼身者139人目。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)