チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年4月25日
<速報>24日 ゾゲ、タクツァン・ラモ・キルティ僧院僧侶2人が焼身・死亡
以下、ダラムサラ・キルティ僧院リリースより。4月24日、現地時間午後6時40分頃、アムド、ンガバ州ゾゲ県にあるタクツァン・ラモ・キルティ僧院(སྟག་ཚང་ལྷ་མོ་ཀིརྟི་དགོན་པ་)の僧侶ロプサン・ダワ(བློ་བཟང་ཟླ་བ།20歳)とクンチョク・ウーセル(དཀོན་མཆོག་འོད་ཟེར།23歳)がタクツァン・ラモ・キルティ僧院本堂右手で一緒に中国のチベット圧政に抗議する叫びと共に焼身を行い、2人ともその場で死亡した。
遺体は僧院内に運ばれ、現在追悼会が行われている。これを知った当局は明日の朝葬儀を行えと命令しているという。
僧ロプサン・ダワはゾゲ県サル郷サル・ドクパ・メマ村の出身。父の名はドルジェ・カンド(62)、母はすでに死亡。6人兄弟の末っ子。
僧クンチョク・ウーセルはゾゲ県メチュ郷キルティ・カチュカ村の出身。父の名はツェリン・ノルブ、母の名はサムドゥプ・ドルマ。3人兄弟の真ん中。
2人とも幼少時タクツァン・ラモ・キルティ僧院の僧侶となり、現在まで勉強していた。2人とも人格、勉学ともに申し分なかったという。タクツァン・ラモ・キルティ僧院は1748年創建。現在約700人の僧侶が在籍する。
タクツァン・ラモ・キルティ僧院では昨年12月8日、僧クンチョク・ペルギェが焼身、死亡している。ゾゲ県での焼身はこれで9人目。内地焼身116人目と117人目。
参照:24日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7607
追加:井早智代さんが描かれた僧ロプサン・ダワと僧クンチョク・ウーセルに捧げる絵。彼女の英語のコメントと共に。
For Konchok Woeser 20 yr old and Lobsang Dawa 22 yrs old.
Both are monks from Taktsang Lhamo Kirti Monastery. They self-immolated together beside the main prayer hall on April 24, 2013 in Zoege, Amdo, Tibet.
In the picture arrived in the Tibetan-in-exile community, snow could be seen on the logs and stones around their burning site.
On such a cold day you passed away, surrounded by
other monks.
I dream a country where no more of you have to do this.
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)