チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月13日
<速報>今日(12日)2人目の焼身 6日間に9人
ニンカル・タシの焼身に続き、同じレゴン県ドワ郷の政府庁舎前で現地時間午後7時20分頃、ニンチャク・ブン、18歳が焼身抗議を行い、その場で死亡した。
郷には大勢のチベット人がいたので、遺体は当局に奪われることなく、直ぐにドワ僧院内に運ばれ、法要が営まれた。その後、葬儀場に運ばれ火葬に付された。葬儀には2、3千人のチベット人が集まり、観音菩薩の真言であるオンマニペメフンやダライ・ラマ法王を讃える詩句が唱えられたという。
ニンチャク・ブンはドワ郷ヨラク村(རེབ་གོང་མདོ་བ་ཡུལ་ཚོ། ཡོ་ལག་སྡེ་པ་)の出身、父の名はラチュク(44)、母の名はツェリン・ツォ(38)、3人兄弟の長男。
ニンチャク・ブン、生前の写真
現在レゴン一帯でネットが切断され、ドワ郷では電話も使えず、電気も止められているという。ドワ郷に向かって大部隊が向かっているという情報もあり、チベット人たちは大規模な弾圧が始まるのではないかと、真っ暗で不安な夜を迎えているという。
内地焼身者74人目、死亡確認60人目。
参照:12日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6896
12日付けTibet Expressチベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-35-27/9629-2012-11-12-15-06-25
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)