チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年9月29日
法王を導師とし自由チベットのために命を捧げた人々へ祈りが捧げられ、その後世界とチベットの平和を祈るハンスト・座り込みが行われた
ダラムサラでは今朝8時から、ツクラカンでダライ・ラマ法王を導師として、焼身をはじめチベットの自由獲得のために犠牲となった人々を追悼し、その家族や今も獄に繋がれている政治犯たちへの連帯を示す祈祷会が行われた。
法王が焼身者の慰霊のために法要を行われるのはこれで二回目。主催は亡命政府宗教文化省。各仏教宗派の代表ラマも列席し、センゲ首相はじめ内閣大臣、政府職員、議員、今回の特別会議参加者、その他数千人のチベット人や外人が集まり、2時間に渡り様々なお経が唱えられた。
ツクラカン本堂での祈祷会に引き続き、前庭で「世界とチベットの平和を祈る集会とハンスト」が行われた。この集会には「チベットや世界中の紛争及び自然災害による犠牲者を追悼する」という意味も含まれていた。
チベット国家斉唱の後、これまでの犠牲者の冥福を祈る黙祷が捧げられた。(最近どんなイベントでもまずこの黙祷が慣例となっている)
この後、参加者全員に白い鉢巻きと黒い腕章が配られた。白い鉢巻きには「བོད་མིའི་སྐྱིད་སྡུག་མཉམ་མྱོང་(苦楽を共に>連帯)」と書かれており、黒い腕章には英語で「SAVE TIBET WORLD PEACE」と書かれていた。
約1500人の参加者が午後3時までの昼食抜きのハンスト?(座り込み)を行った。
ハンストの最中、「チベットへの思いを各国の言葉で表明する」というイベントがあった。ロシア語、イタリア語、ベルギー(フラマン)語、ドイツ語、日本語、ネパール語、中国語で夫々の国に住む主にチベット人がスピーチした。
その中、日本の北海道から今回の特別会議に参加していたガワン・ジャンペルさんがスピーチされた。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)