チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年5月3日
宗教トップ会談とモンラム
昨日5月2日、午前ダラムサラ、スーリアホテルのホールにおいてダライラマ法王を中心にカーギュ派からはギャワ カルマパ、サキャ派からはティチェン リンポチェ、その他もちろんニンマ派にボン教のトップも勢ぞろいして宗教巨頭会議が開かれた。
私はその場にいませんでした。今日ラジオ自由アジアの友人から内容についての簡単な情報を得ました。
それによると:議題は主に二つ、一つはいつもの尼僧戒についての話。これは古い議題でして、つまりチベットにはまだ完全な大乗の尼僧戒がないので、この伝統を台湾から移入すべきかどうか?という話です。結論が着いたとは思いませんが、詳しくは不明です。
もう一つは共産党の中国政府が近年強制施行した<リンポチェ(活仏)政府認定制度>についてでした。
まずは中国政府の推薦、認定した活仏は本物と認めないことの確認。
現在チベットに残っている活仏は全体の数パーセントに満たないのでそれほど憂慮すべき問題ではないとの認識が示された。
亡命側においても今後トゥルク リンポチェを選定するに当たっては厳正を尽し、数も限定されるべきであり、これ以上増やさないようにすること。
このような話があったということです。
今日午前8時半より1時間ほどの間、ツクラカンでチベット人の自由と平安を祈るモンラム(祈願会)が各派のトップ勢揃いの上行われました。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)