チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年9月10日
チベット人知識人の弾圧は続く:2人のチベット人が西寧で国家分裂罪の容疑で逮捕
写真左ブダ、右ケルサン・ジンパ(C/R:The Tibet Post)
参考記事:
9月1日付The Tibet Post
http://www.thetibetpost.com/en/news/tpi-short-takes/1087-china-arrests-two-writers-in-tibet
The Tibet Postチベット語版(一番く詳しい)
http://www.thetibetpost.com/bo/news/tpi-short-takes/1087-china-arrests-two-writers-in-tibet
9月8日付Tibetan Review.net
http://www.tibetanreview.net/news.php?&id=7143
パリに本部を置く国境なき記者団は9月6日、2人のチベット人が青海省の省都西寧で、「シャル・ドゥン・リ(ཤར་དུང་རི་東にある法螺貝の丘)」というチベット語の雑誌に記事を載せたとして逮捕されたと報告した。
彼らはこの雑誌の編集者であった。
2人の名はブダ(ལྦུ་རྡ་)とケルサン・ジンパ(་སྐལ་བཟང་སྦྱིན་པ་)。
彼らは2008年のチベット蜂起及びその後の中国当局によるチベット人弾圧についての記事を書いたとして、それぞれ今年6月と7月に国家分裂罪の容疑で逮捕された。
国境なき記者団はこれで中国当局が逮捕したチベット人記者や作家の合計は15人に昇るとし、これは中国が逮捕した記者・作家総数の半分に当たると報告した。
さらに、その他外国に情報を流したとして逮捕されたチベット人は少なくとも50人以上であると報告した。
ダラムサラ在住のカニャック・ツェリンによれば、
6月21日に逮捕されたブダ(34)は、四川省ンガバ(རྔ་པ་)県ティンケン(ཁྲིན་ཀཱན་)出身。
彼は中国内地のChuan ChiにあるYegao医学院で学び、その後ンガバ周辺の村々で医者として働いていた。
7月19日に逮捕されたケルサン・ジンパ(35)は同じくンガバ県のツァユ(ཙ་ཡུས་)出身。
ツァユ僧院の僧侶であったが1993年インドに亡命し、TCVスジャスクールで一年間学び、その後ダラムサラのキルティ僧院に入り、1996年チベットに戻っていた。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)