チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2014年10月5日

新たな焼身者 秘密裏に治療中

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15772_512465595523523_4013784117946157399_n焼身後病院で治療を受けるクンチョク。

昨夜RFAがチベット内で新たな焼身があったと報じた。しかし、実際に焼身があったのは先月16日のことという。

情報が伝わるのが遅れた原因の一つは当局の情報遮断のせいであろうが、今回は特に焼身者が現場で死なず、当局に連れ去られる前に親近者が彼を遠くは離れた隠れた病院に匿い、秘密にしていたからと思われる。

習近平がインド訪問を始めた9月16日、アムド、ゴロ(青海省果洛チベット族自治州)ガデ(甘徳)県ツァンコル郷の警察署の前でクンチョク、42歳が焼身を行った。現地から情報を伝えたチベット人は「彼の焼身は中国のチベット政策に抗議するためだ。チベット人のためにやったのだ」という。

彼はツァンコル郷メコル村の出身。2人の子供がいる。1人は僧侶、もう1人は尼という。

現地と連絡をとった別のチベット人によれば、「焼身を目撃したチベット人たちはすぐに火を消し、彼を西寧の隠された病院に運び込んだ。そこで彼は秘密裏に治療を受けている」という。

「彼は今、大きな苦しみの中にある。治療中にも彼はしばしば涙を流す。思うように死ねなかったことを後悔しているのだ」という。「生きる望みは薄いと思う」とそのチベット人は続けた。

「これ以上詳しい事は言えない。家族はこのことが当局に知れ、関わった人に迷惑がかかることを恐れている」
「家族はまた、クンチョクがこのまま生き続ければ当局に連れ去られるだろう。その後死んでも、遺体は渡されないと心配している」という。

第3の情報提供者によれば、「中国当局は焼身の後、ガデ県内の警戒を厳重にし、見通しのいいところに監視カメラを増やしている。いつも見張られているようだ。僧院の周りにも監視カメラが設置された」という。

クンチョクの焼身により内地焼身者の数は133人となった。彼が焼身した次の日にツーで22歳の学生ラモ・タシが焼身している。

その他参照:10月4日付けRFAチベット語版

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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