チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年9月7日
セルシュ抗議デモの写真を海外に流したとして2人拘束
カンゼ州セルシュ県ダンマ郷で先月12日、拘束された村長の解放を求めるチベット人住民たちに向かい当局が無差別発砲を行い、多くが重傷を負った。その後、拘置所内で銃弾を受けた人々が治療を受けるどころか拷問を受け、4人が死亡、1人が抗議の自殺を行った、ということはすでに伝えた。また、拷問死した夫の後を追い妻が自殺するという悲しいニュースも伝えた。
9月3日付けRFAによれば、この時のデモの様子を伝える写真を外国に流したとして2人のチベット人が拘束されたという。2人はダンマ郷ユンドック村出身のツェコックとパギャ。現地の情報網は依然厳しい監視を受けていることもあり、2人が拘束された日付その他の詳細は伝わっていない。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)