チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年4月30日
ペマ県:2つの郷合わせ54人連行 僧院と村々で愛国再教育
今月20日と22日に中国当局は青海省ゴロ州ペマ県にある2つの郷から若者を中心に54人を連行した。彼らは今も拘束されたままという。
4月29日付けRFAチベット語版によれば、ペマ県では最近突然当局による弾圧が始まったという。4月22日、ペマ県ディンダ郷では28人のチベット人が連行された。地区には大勢の武装警官隊と軍隊が配備され、チベット人の動向を日夜監視しているという。
また、地区の僧院と村々には役人が大勢現れ、愛国教育集会を開いているという。集会では「分裂主義者」と闘うことが強調され、「中国共産党のお陰でチベット人はみんな幸福に暮らしている」という嘘が毎回繰り返えされていると現地の人は伝える。
役人たちは、もしも「おとなしく共産党の命令を尊重し、指示に従ってさえいれば、来年から補助金を増やそう」とも持ちかけているという。
同じペマ県にあるチャクリ郷では4月20日、26人のチベット人が連行された。地元の人々によれば、「今回連行された若者たちは全員何の罪も犯していない。まじめな青年ばかりだ」という。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)