チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年4月10日
ビデオ:デゲで勇敢な若者が1人抗議デモ
このビデオは4月8日、現地時間午後3時頃、カム、デゲ(デルゲ དཀར་མཛེས་ཁུལ་སྡེ་དགེ་རྫོང་། 四川省カンゼチベット族自治州徳格)県イルン・マニケンゴ郷(ཡིད་ལྷུང་མ་ཎི་སྐད་མགོ)で、チベット人若者が勇敢にも1人で中国政府に異を唱える街頭デモを行ったというものである。
彼は沢山の政治的チラシ(或はルンタ)を投げ上げながら、「ダライ・ラマ法王に長寿を!チベットには自由が必要だ!」と叫んでいる。ビデオの最後の方では、付近のチベット人たちがこれに同意を示すために雄叫びを上げている。
この場所は郷の中心街であり、政府の役所がある場所という。この後、警官が彼を逮捕したと伝えられる。彼の氏名その他の詳細は未だ伝わっていない。彼は「ケグド(ジェクンド、玉樹)から来た若者だ」という情報もあるが確認されていない。
このマニケンゴ郷では2006年に、屠殺場建設に反対するチベット人のデモが発生し、そのとき数人が逮捕され、刑を受けたことがあるとRFAは補足する。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)