チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年3月25日
3月16日、2人目の焼身者の氏名・生死判明
先の16日にチベットで2人が焼身したと伝えられたが、24日になるまでツェコで焼身したという僧侶の氏名・生死は不明のままであった。
24日付けRFA等によれば、青海省黄南チベット族自治州ツェコ県ソナク郷にあるソナク僧院近くで16日に焼身した僧侶の名はジグメ・テンジン(འཇིགས་མེད་བསྟན་འཛིན།)、年齢29歳という。焼身を目撃した僧侶たちが、すぐに僧院内に彼を運び込んだが、間もなく彼は死亡した。そして、その日の内にすぐに葬儀が行われたという。
焼身を知って、当局は大勢の部隊をソナク僧院に送り込み、僧院を包囲した。また、ツェコ県内の情報網が遮断され、これにより情報が昨日まで伝わらなかった。僧院に入った部隊は大勢の僧侶を拘束したというが、間もなく大多数は解放された。しかし、未だ4人の僧侶が拘束されたままという。僧院の出入りは全面的に禁止されている。
僧ジグメ・テンジンはツェコ県ソナク郷ガクリク村(རྨ་ལྷོ་ཁུལ་རྩེ་ཁོག་རྫོང་སོ་ནག་ངག་རིགས་འཚོ་བ།)の出身。レゴン、ロンウォ僧院で10年間学んだ後、地元のソナク僧院に帰っていた。彼は非常に控えめな性格であり、菜食を続けていたという。
ソナク僧院は1660年創建のゲルク派僧院。現在120人ほどの僧侶が所属している。
2009年以降、内地焼身者の数は129人。内死亡確認112人。外地の5人を加えれば134人。内115人死亡。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)