チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年3月20日
鉱山開発に抗議 2人拘束
甘粛省甘南チベット族自治州サンチュ県ホルツァン郷とツァユル郷の住民は数日前、地元で行われている鉱山開発に抗議するデモを行った。
ツァユル郷ゾジコクにあるこの鉱山では金をはじめ様々な鉱物の掘り出しが20年前から行われている。近年鉱山は拡張され、それに伴い、多くのチベット人が補償もなく強制退去させられたり、その他様々な困難に直面しているという。
これまでに何度も政府に陳情したが、まったく聞き入れられないというので、業を煮やした住民数百人が横断幕を掲げ鉱山開発の中止を訴えるデモを行った。
サンチュ県から何人かの役人が説明のためにやって来た。しかし、午後には2人のチベット人が拘束されたという。
チベット人たちにとって、中国人によるチベット内の鉱山開発は基本的に泥棒行為であり、聖なる自然を破壊する陵辱行為である。鉱山開発に反対するデモに対し、中国当局はこれを政治的行為と見なし、これまでに何度も発砲を行い、多くのチベット人が犠牲となっている。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)