チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年3月15日
ソク県で続く連行・失踪 3・10の日、巨石に「チベット独立」の文字
相次ぐ連行・失踪
3月15日付けTibet Expressによれば、3月6日、チベット自治区ソク県ティド郷にあるティルダ僧院の僧ケルサン・ツルティムと僧トゥプテン・ペルデン、されにドワ村のノルブ・ドゥンドゥップ、モンラム・ギャンツォ、ツェリン・タルパを合わせ5人が当局に連行された。
彼らが連行された原因は、彼らがチベット問題に関係する写真や文章をお互いに送り合っていたからという。彼らが今、どこにいるのかは分かっていない。
彼らの内、僧ケルサン・ツルティムは2012年5月にも拘束され、その後1年の刑を受け、ラサのトゥルン刑務所に服役していたことがある。
他、先月2月3日に同じくソク県ティド郷で若者6人が連行された。その内の4人はその後解放されたが、彼らはその後、毎日公安に出頭することを義務づけられたという。残る2人のアサンとマルゴンの家族は彼らがどこに拘置されているのかを捜しているが、未だ不明という。
先月2月4日には同じ地区にあるドワ・シャルツァ僧院の僧侶4人を当局が連行したが、彼らもその後行方不明となっている。
3・10蜂起記念日に巨石に「チベット独立」と文字が
チベット蜂起記念日である3月10日に、同じくソク県ティド郷で、鉄橋のたもとにある巨大な岩に赤い字で「チベット独立 བོད་རང་བཙན་ཡིན།」と書かれているのが発見された。
当局は直ちに、軍車両20台と80人ほどの警官を怒り込み、検問所を作り、すべての通行人をチェックし、暴力を含む嫌がらせを行っているという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)