チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年2月8日
凍った川の上に 砂で「チベット独立」と描き 15~20歳の若者6人拘束
2月7日付けTibet Expressによれば、ディル県に隣接するソク県で最近6人の若者が拘束され、その後行方不明となった。
現地からTibet Expressに寄せられた報告によれば、今月3日の夕方、チベット自治区ソク県ティド郷第三村(ཁམས་སོག་རྫོང་ཁྲི་རྡོ་ཡུལ་ཚོའི་གྲོང་ཚོ་གསུམ་པ།)から、シスン・ドルジェ(15)、ラクパ、ジャミヤン・ギャンツォ、ドルジェ、アサンとマルゴンというすべて15歳から20歳までのチベット人若者6人が当局に拘束された。
当局がいうには、彼らは凍ったギェルモ・ングルチュ川(རྒྱལ་མོ་དངུལ་ཆུ།)の上に砂で「チベットが独立しますように!(བོད་ལ་རང་བཙན་ཐོབ་པར་ཤོག)という文字を描いたからだという。
この禁止されている文字が川の上に描かれているのを見つけた役人が、これを描いたという6人を拘束しソク県の警察に連行した。その後、彼らの消息は途絶えたままである。
その他、最近同じティド郷にあるドワ・シャルツェ僧院の僧侶4人も拘束されたという情報もあるが、地区の警戒が強まり、詳しい情報は今のところ伝わってないという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)