チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年10月29日
貴重ビデオ:鉱山開発に反対するチベット人に向かい部隊が発砲
8月中頃、ジェクンド州ザトゥ県では、地元チベット人数千人が鉱山開発に反対し、鉱山開発の山に集結した(詳しくはここ)。これに対し、当局は大量の部隊を派遣し、彼らを強制排除しようとした。この際、部隊が集まっていたチベット人に向かって発砲したという情報があり、その結果15人が病院に運び込まれたと言われていた。
しかし、これまで、発砲の事実については確認されていなかった。最近になり、現地からこの時撮影されたビデオを海外の人権団体が入手し、発表した。以下がそのビデオである。最後に機関銃の音が聞こえ途切れている。
また、最近現地から伝えられた情報によれば、9月半ばにこの抗議デモに関係し、分裂活動を行ったとして、3人の地元政府代表が解雇されたという。3人の名はケツァ・ストップ、ギェルツェン、プダックであるが、彼らは地元チベット人たちにより選挙で選ばれたチベット人たちであった。彼らが解雇されたことを知り、他のチベット人職員たちも職を辞したという。
参照:10月24日付けTibet Timesチベット語版
10月26日付けphayul
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)