チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年8月18日
鉱山開発に抗議する数千人に部隊が発砲 負傷・拘束者多数 抗議の自殺を計る者も
鉱山開発に反対するチベット人たちが描く「平和」と描かれた人文字。
8月13日から青海省ジェクンド(ケグド、玉樹)州ゲドゥン・ザトゥ県(ཡུལ་ཤུལ་ཁུལ་དགེ་འབྲོང་རྫ་སྟོད་རྫོང་)の3つの村で鉱山開発に抗議するためにそれぞれ1000人以上の地元チベット人が集結していた。これに対し、当局は2つの村に大量の部隊を派遣し、集まっていたチベット人たちを強制排除した。部隊は抗議するチベット人に襲いかかり、催涙弾を使い、一部情報によれば発砲も行ったという。
それにより、キェツァ・スドルと呼ばれるリーダーが行方不明となり、その他8人が連行され、少なくとも15人が病院に運び込まれた。また、ソポ・チュドゥップという若者が抗議の印に刀で自殺を計った。彼はすぐ部隊により病院に運ばれ、現在生死不明という。
これらの鉱山ではダイアモンドが発掘されたといわれ、最近それぞれの鉱山に100~200人の中国人作業員が現れ、作業を始めようとしたところでチベット人たちがこれに反対し集結していた。
チベット人たちはこの開発は中央政府の許可を受けていない不当な開発であり、環境を汚染、破壊するものであると主張していた。
参照:8月16日付けRFA英語版 http://www.rfa.org/english/news/tibet/mine-08162013183325.html
同チベット語版 http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/Update-on-Dzatod-Yushul-mine-08162013162400.html
8月17日付けTibet Timesチベット語版 http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=8007
8月17日付けTibet Expressチベット語版 http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/10981-2013-08-17-11-05-22
8月16日付けphayul http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=33874&article=Mass+protest+in+Tibet+against+Chinese+mining
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)