チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年7月2日
中国共産党創立記念日にチベット人僧侶が1人デモ
昨日7月1日は中国共産党創立記念日(注)であった。この日チベット各地では共産党に動員されたチベット人たちが歌や踊りの祝賀会を開かされていた。そのような歌舞祝賀会の最中、チベット自治区、チャムド地区ツァワ・パシュ県でドンサル僧院僧侶ロプサン・ゲンドゥンが「ダライ・ラマ法王に長寿を!ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!チベットに独立を!」と叫び、その場で警官に逮捕された。
ロプサン・ゲンドゥン(བློ་བཟང་དགེ་འདུན་)の年齢は20歳前後、ツァワ・パシュ県キルダク郷グラップ村 (ཚ་བ་དཔའ་ཤོད་རྫོང་དཀྱིལ་དག་ཤང་འགུ་རབས་གྲོང་ཚོ་)の出身。父の名はケルサン、母の名はペルゾム。
事件の後、ドンサル僧院(གྲོང་གསར་དགོན་)には武装警官隊と軍隊が押し掛けたと言われているが、現在の状況は伝わっていない。
注:ウィキペの説明によれば:1921年7月に、コミンテルンの主導により、北京大学文科長の陳独秀や北京大学図書館長の李大釗、元北京大学図書館司書の毛沢東らが各地で結成していた共産主義組織を糾合する形で、上海にて中国共産党第1次全国代表大会(第1回党大会)を開催、結成されたとされる。
参照:7月1日付けRFAチベット語版 http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/ven-lobsang-gedhun-arrested-after-protest-07012013152726.html
7月2日付けTibet Times チベット語版 http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7850
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)