チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年5月17日
世界同時連帯デー
今日、5月17日はチベット亡命政府が呼びかけた「世界同時連帯デー」。世界各地で内地チベット人への連帯を示すイベントが行われたはず。
ダラムサラでは朝10時から、チベットミュージアムがツクラカンの前庭でチベットの焼身とチベットの歴史を中心とした展示イベントを行った。
そして、午後4時からツクラカン本堂で4月24日にゾゲのタクツァン・ラモ・キルティ僧院内で焼身、死亡した僧ロプサン・ダワと僧プンツォック・ウーセルをはじめとするこれまでの焼身者への追悼会が行われた。
その後、ツクラカン前庭に場所を移し、連帯を示し、祈りを捧げるという集会が行われた。
以下、写真を中心に。
ツクラカンで行われた追悼会。
今日はダライ・ラマ法王が承認したパンチェン・ラマ11世、ゲンドゥン・チュキ・ニマが18年前の今日、当局により拉致された日。彼と彼の家族の消息はその後、まったく分かっていない。
集会のはじめにパンチェン・ラマの研究者という(名前失念)チベット人が11世パンチェン・ラマ選出の経緯を報告した。その中でダライ・ラマ14世が当初、如何に中国に譲歩し「双方で同じ転生者を承認すること」に努力したか、それにも関わらず、中国側が一方的に提案を拒否しダライ・ラマ法王が承認したパンチェン・ラマを拉致し、自分たちで都合のいいパンチェン・ラマを不正なやり方で選出したかを詳説した。
また、14世ダライ・ラマが「自分を真性なダライ・ラマであることを承認してくれた先代のパンチェン・ラマに恩がある」ことを語り、「本物の11世パンチェン・ラマが次の15世ダライ・ラマを承認すること」の重要性を強調し、「必ず彼を見つけ出さねばならない」とおっしゃったことを伝えた。
ドラマスクールによる、焼身者を讃え、連帯を示す歌。
同様な趣旨の男性コーラスグループの歌。
最後に「ツェメーユンテン(真理の祈り)」を歌いながら祈る人々。
歌を先導するドラマスクールの女性グループ。
小坊主たち。子供は坊主であろうと祈りの歌を歌いながらも、カメラを向けると笑う。
お年寄りは、、、
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)