チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年4月17日
<速報>ザムタンで新たな焼身 20歳 1児の母
生前のチュクツォ。
先ほど、Tibet Timesが報じたところによれば、4月16日、現地時間午後3時頃、ンガバ州ザムタン県バルマ郷にあるチョナン僧院の傍で、チュクツォ(ཕྱུག་མཚོ་)と呼ばれる20歳の女性が中国の圧政に抗議するために焼身し、その場で死亡した。
集まったチベット人たちが彼女の遺体をチョナン僧院に運び込んだ。僧院でポアと追悼の法要が行われた後、遺体は家族の下に届けられた。
その後、これまでと同じように家族の下に、役人と警官が押し掛け、その日の内に葬儀を終わらせるようにと命令した。現在、葬儀の準備が行われており、家族の下や僧院には数千人の僧侶、尼僧、一般人が集まり、彼女への哀悼と連帯を示しているという。
チュクツォはザムタン県バルマ郷の出身、父の名はテンコ、母の名はドンキ。彼女は結婚し、3歳になる子供が1人いたという。
サムタンでの焼身は6人目。すべてチョナン僧院傍である。先月26日には30歳の女性、4児の母ケル・キ(30)が焼身、死亡している。
内地焼身115人目。女性18人目。
追記(17日):VOTが、南インドの僧院に所属する焼身したチュクツォと同郷の僧侶が現地より得た情報として伝えるところによれば、チュクツォの年齢は21歳、2人の子供を残したという。夫の名前はクンチュ、24歳。出身はバルマ郷ツァン村。遊牧民であったという。
参照:16日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7571
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)