チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年4月11日
ジェクンドで土地強制収用・家屋破壊に抗議のデモ 武警と衝突し負傷者双方合わせ10人 21人連行 2人焼身か?
今日(4月11日)付けTibet Expressが伝えるところによれば、今月9日、カム、ジェクンド(ケグド、玉樹)で当局の土地強制収用、家屋破壊に抗議するチベット人と部隊が衝突し、チベット人21人が連行されたという。また、最近2人のチベット人女性が抗議の焼身を行ったとの情報もあるが、詳細は伝わっていないとも書かれている。
ジェクンドでは大地震後、土地強制収用と家屋破壊が絶え間なく行われている。9日にも多くの家屋がブルドーザーにより破壊された。この当局の無謀な行動に対し、この日100人ほどのチベット人が立ち上がり抗議のデモを行った。これに対し当局は武装警官隊を送り込み、チベット人との間に衝突が起った。結果、チベット人6人が負傷、軍人4人も負傷、21人が連行されたという。
当局はさらに付近の200戸の家屋を破壊すると言っているそうだ。
最近、この土地強制収用、家屋破壊に抗議し、2人のチベット人女性が焼身したという情報があるが、現地における情報封鎖と厳戒態勢の故に詳細を確認することができないという。
先の4月5日付けのブログhttp://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51785813.htmlでジェクンドの焼身のニュースをお伝えしたが、今回報告される焼身がこれを含むのかどうかは明らかではない。
参照:11日付けTibet Express http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/10402-2013-04-11-07-43-00
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)