チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年3月24日
<速報>今日4児の母が焼身・死亡 ザムタンで4人目 内地112人目
カル・キ、生前の写真。
ダラムサラ在住のツァンヤン・ギャンツォがTibet Expressに伝えたところによれば、今日3月24日、現地時間午後3時半頃、アムド、ンガバ州(四川省アバ・チベット族チャン族自治州)ザムタン(壤塘)県バルマ(中壌塘)郷(འཛམ་ཐང་བར་མ་)にあるザムタン・チョナン僧院(འཛམ་ཐང་ཇོ་ནང་དགོན་པ་)の傍でチベット人女性ケル・キ(སྐལ་སྐྱིད་ケルサン・キの短縮名か?)、30歳が中国政府のチベット弾圧政策に抗議するために焼身し、その場で死亡した。
彼女の遺体は中国当局に運び去られることなく、チベット人たちがチョナン僧院に運び込んだ。現在、僧院では僧侶たちが集まり彼女のための法要を行っているという。
ケル・キはザムタン県バルマ(バルワ)郷プパ家の出身。15歳を筆頭に4人の子供の母。夫の名はドゥペ、父の名はチュデン、母の名はパリ。
ザムタン県での焼身抗議は5件目。焼身場所は何れも今回と同じチョナン僧院傍。
内地焼身者112目、内死亡確認94人目。女性17人目。
参照:24日付けTibet Expressチベット語版 http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/10302-2013-03-24-11-07-48
追記:当局はチョナン僧院に対し、ケル・キの葬儀を今夜12時までに済ますよう命令した。そうでない場合は、彼女の遺体を運び去ると脅迫。現在(インド時間午後7時半)僧院には4000人ほどのチベット人が連帯を示すために集まり、葬儀の準備を行っているという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)