チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年3月1日
シルカル僧院で焼身者を弔う大規模祈祷会
ケグド(ジェクンド、ユシュ、青海省玉樹チベット族自治州)ティンドゥ(称多)県にあるニャンツォ・シルカル僧院(ཉ་མཚོ་ཟིལ་དཀར་དགོན་)は、チベットを思う気持ちが強いようで昨年中にも様々な話題を提供している。昨年2月には大規模な抗議デモを行い、6月には近くのザトゥ郷で2人が焼身し、内生き残った1人を匿い、8月終わりには放生の羊、ヤギを多数引き受け、9月1日には数百人の武装部隊が押し掛け5人が連行され、同じく9月中に子供たちにチベット語を教える付属の学校が当局により強制閉鎖されている。
そして、今年のチベット暦正月15日には、境内に600人の僧侶と約1000人の住民が集まり、午後3時から7時まで、世界平和と焼身抗議を行った人々のための特別祈祷会を行ったという。
また、この僧院ではチベット歴正月1日から3日間、僧院内で焼身者を弔う法要のみが行われ、特別な行事は一切行われなかったという。
チベット内地でこの種の法要を行う事は、特別の覚悟がいることだ。
これに対し、当局が介入したという情報は今のところ入っていない。
参照:27日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7384
27日付けRFAチベット語版http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/prayer-for-self-immolator-02272013165101.html
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)