チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年2月26日
<速報>25日 2人目の焼身 ンガバで若い僧侶が
ダラムサラ・キルティ僧院の内地情報係り僧ロプサン・イシェと僧カニャク・ツェリンによれば、昨日2月25日、現地時間午前10時頃、アムド、ンガバ州ンガバ県(མདོ་སྨད་རྔ་པ་四川省阿壩チベット族羌族自治州阿壩県)のンガバ市内から南に延びる幹線上で1人の若い僧侶が中国政府のチベット弾圧に抗議する焼身を行った。
現場には直ちに部隊が駆けつけ、消火器で焼身者の火を消し、ンガバ市内の病院に運び去った。その後しばらくして他の地域の病院に転送されたという。
焼身者の名前はサンダ、年齢についてはVOTが昨日19歳と報じているがキルティ僧院のリリースには書かれていない。彼はンガバ県トツィク郷ドワ村ダルコ家(རྔ་པ་རྫོང་སྤྲོ་ཚིགས་ཡུལ་ཚོའི་རྡོ་བ་སྡེ་བའི་དར་ཁོ་ཚང་)の出身、ディプ僧院(དྷཱི་ཕུ་དགོན་པ་德普寺)の僧侶である。
現在、彼の生死は不明であり、彼が焼身時にどのようなスローガンを叫んだかも不明である。
事件が発生して直ぐにンガバ一帯に武装警官隊が大勢出動して厳戒態勢が引かれたが、まもなくして表向きは何もなかったかのように部隊は引き揚げたという。
ディプ僧院の正式名はディプゴン・ゲレック・テルズ・リン(དྷཱི་ཕུ་དགོན་དགེ་ལེགས་གཏེར་མཛོད་གླིང་)、サキャ派の僧院である。現在約500人の僧侶が在籍している。
内地焼身者109人目。サキャ派の僧侶が焼身抗議を行ったのはこれが初めて。
参照:26日付けTibet Times チベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7376
26日付けVOT中国語版http://www.vot.org/?p=22748&utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=%25e8%25a5%25bf%25e8%2597%258f%25e9%2598%25bf%25e5%25a3%25a9%25e8%2587%25aa%25e7%2584%259a%25e6%258a%2597%25e8%25ad%25b0%25e4%25ba%258b%25e4%25bb%25b6%25e7%25a2%25ba%25e5%25ae%259a%25e7%2599%25bc%25e7%2594%259f
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)