チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年1月21日
冬休みの間、2人以上が集まってはならないと
レゴン、学生デモ。
去年末、アムド各地で、中学生や専門学校の学生たちによるチベット語教育軽視、漢語強要、民族差別、民族弾圧等に抗議するデモが頻発した。その内、大きなデモとしては去年11月9日にレゴンで1万人近くが参加したというデモ(http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51768757.html)、と11月26日にチャプチャで行われた千人規模のデモ(http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51770778.html)が上げられる。デモは武力鎮圧され、逮捕の後、刑期を受けたものもいる。
当局は、アムド全域でデモを予防するために冬休みの期間を伸ばし、さらに教師や生徒に様々な規制を科した。1月20日付けRFAによれば、休みに入る前に各学校の教師と親が生徒たちを連れて地区の警察書に出頭し、教師や親に生徒たちに政治的活動をさせないという誓約書へのサインを強制した。サインしない限り、解放されなかったという。
書面には「休み中、生徒2人以上が一緒に集まることを禁止する。これを家族や地域の者が監視し守らせなければならない」、「休み中に補習授業を行ってはならない」ということも書かれていたという。
参照・20日付けRFAチベット語版http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/restruction-on-students-01202013101915.html
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)