チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年12月19日
ボラ:焼身の翌日5人の僧侶を連行
今月2日、アムド、サンチュ県ボラ郷にあるボラ僧院の近くで17歳の少年スンドゥ・キャプが焼身抗議を行った。http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51771516.html 彼は部隊に連れ去られ、ツゥ市の病院に収容されたというが、その後の消息は途絶え、生死不明のままである。
翌日3日には警官と役人がボラ僧院に押し掛け、僧侶5人を連行した。彼らは今も行方不明のままという。連行されたのは以下の5名:ゲンドゥン・ギャンツォ(47)、ロプサン・パクパ(34)、ジャミヤン・スパ(25)、ジャミヤン・ロトゥ(20)、ジャミヤン・ギャンツォ(20)。
この内、ロプサン・パクパはンガバ・キルティ僧院の僧侶であったが、2010年以降ンガバ・キルティ僧院で勉強するンガバ意外の僧侶は追い出されることになり、地元に帰っていた。また、彼は2005年にインドに亡命しようとしたが、ネパールとの国境であるナンパラ峠の前で発見、逮捕され最初シガツェの刑務所、続いてサンチュの刑務所に数ヶ月監禁されたのち罰金5千元を払い釈放されたという。
情報を伝えたチベット人によれば、ボラ郷では10月20日にラモ・キャプが焼身、死亡したhttp://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51766223.html後、警察、特殊警察、軍が駐留し僧院と村は厳戒態勢下におかれているという。また、周辺各地の役人が集められ、僧院と村で政治教育集会が開かれており、この2ヶ月間電話は切断され、連絡が非常に困難となっているとも話す。
参照:18日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7086その他。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)