チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年12月10日
<速報>9日、17歳の少女が焼身、死亡 内外合わせ100人目!
12月9日、現地時間午後8時頃、アムド、レゴン地区ツェコ(རེབ་གོང་རྩེ་ཁོག་青海省黄南チベット族自治州沢庫県)で17歳の少女が中国政府のチベット圧政に抗議するために焼身、その場で死亡した。
彼女の名前ペンチェン・キ。焼身しながら「ダライ・ラマ法王に長寿を!チベットよ永遠に!」と叫んだという。
彼女はツェコ県ドカルモ郷の学校の生徒で、現在第7学級(中学一年生)であった。彼女は焼身する前に友人に対し、「私はチベットのために焼身する。郷中心に行って役場の前で焼身すれば遺体は当局に奪われ、両親の下に帰れないであろう。だから、私はこの遊牧地で焼身する」と告げていたという。
ペンチェン・キの父の名はソナム・ツェリン、母の名はセルモ。兄弟は2人で彼女は真ん中であった。
夜中12時15分(現地時間)に連絡が入った時点で、数千人のチベット人が現場に集まり、すでに彼女の葬儀を始めている。電話を通し、人々がダライ・ラマ法王を讃えるお経やスローガンを叫んでいるのが聞こえたという。
内地焼身者97人目、内外合わせ2009年以来100人目!
ツェコ県ドカルモ郷での焼身は先月から4人目。11月25日には17歳の尼僧サンゲ・ドルマが焼身、死亡している。
参照:9日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7036
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)