チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年12月5日
チベット亡命政府:新ビデオと共に世界的連帯を求める
チベット亡命政府は12月10日の世界同時行動日を前に、今日午前11時、記者会見を開き、6分半のキャンペーンビデオを発表した。
このビデオは焼身抗議を中心にチベットの現状を知らせ、世界的連帯を要請するために制作されたものである。以下、そのビデオ:<閲覧注意>の映像を含む。
記者会見でロプサン・センゲ首相は「今年の蜂起記念日である3月10日に、私は今年を各政府に対するロビー年のすることを提唱した。そして、まずまずの効果を上げた。来年2013年は『連帯の年』とすることを提案する」と述べ、「もっと広く世界中の人々にチベットの現状、焼身抗議の実体を知らせることで、世界の助けを得て中国を対話の席に付かせることを目標にする」と続けた。
チュニジアの焼身の例を引き「チェニジアにおける1人の焼身抗議は世界のメディアや国際機関により『アラブの春』の『引き金』と呼ばれた。世界のメディアはアラブの春をカバーし、広く知らせることで世界的支持を与えた」として、「同じ文脈で、我々はメディアと国際機関に対し、チベットでは1人ではなく、今すでに92人が焼身抗議を行っていると言いたい。同様の関心と支持をチベット問題にも求めるのだ」と述べた。
さらに、「我々チベット亡命政府は常に過激な抗議行動を慎むようにと要請している。しかし、起ってしまった焼身に対しては、チベット人として、亡命政政府は連帯を示し、世界に対し彼らの望みを知らせる道徳的、神聖な義務がある」と語る。
このビデオを制作した主な目的は世界中の人々の茶の間にチベットで増々増え続ける焼身抗議の実体を知らせ、「良心があり、正義を愛する人々、主にオピニオン・メーカー、ニューメディアの人々に対しその深刻さ、緊急性を訴えるためである」という。
このビデオの他に広報用のmicrosite,http://www.solidaritywithtibet.org、及びFacebook pagehttps://www.facebook.com/SolidarityWithTibetが新設され、キャンペーン資料を提供するためのサイトhttp://www.solidaritywithtibet.org/outreach/が立ち上げられている。さらに、12月10日のチベット連帯一斉行動日にはThunderClap to sharehttps://www.thunderclap.it/projects/758-stand-in-solidarity-with-tibetに集中的にアクセスし、世界中にチベットの状況を知らせることを提案している。
日本での行動日は12月8日に予定されている:2月8日(土)「世界人権デー デモ~チベットの現状を訴える~」主催:TCJ… 協力:SFTJ、TSNJ 集合場所:渋谷宮下公園 12:45 集会開始 14:00 デモ出発 12/10には国連へ要望書を手渡します。夕方からキャンドルヴィジルも予定とのこと。
センゲ首相の声明>http://tibet.net/2012/12/05/sikyong-dr-lobsang-sangay-launches-solidarity-with-tibet-campaign/
できるだけこのビデオを広め、お時間のある方は日本で行われるデモにも参加して頂きたいと思います。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)