チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月28日
11月7日にディルで焼身したチベット人の氏名が判明 刑務所で治療も受けず18日に死亡と
11月7日にはレゴンで1人、ンガバで3人、ディルで1人と、1日に5人ものチベット人が焼身抗議を行った。この内、ディルについては焼身があったということは確実と思われていたが、焼身を行ったチベット人の氏名も性別も年齢も生死もこれまで伝わっていなかった。http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2012-11.html?p=3#20121107
このディルの焼身について、その氏名、生死等が、今月27日にやっと亡命側に伝えられた。
焼身抗議は11月7日、午後7時から8時の間、ディル県(འབྲི་རུ་རྫོང་自治区那曲地区比如県)ペカル郷の学校か役場の前で行われた。焼身したチベット人はペカル郷セルドン村出身(པད་དཀར་ཡུལ་ཚོའི་སེར་གྲོང་)のツェギェ(ཚེ་རྒྱས་)、27歳。彼には2人の子供がいた。1人は2歳、もう1人は8ヶ月の赤子という。
焼身後、彼は警官により連れ去られ、その後ナクチュの刑務所に送られた。刑務所では治療が一切与えられない上に、酷い扱いを受けたという。その結果、18日の夜、死亡したと。
内地死亡確認74人目
参照:27日付けTibet Expressチベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/9729-2012-11-27-14-28-25
28日付けTCHRDリリースhttp://tchrd.org/index.php?option=com_content&view=article&id=320:tibetan-dies-of-untreated-burns-in-police-custody-in-nagchu&catid=70:2012-news&Itemid=162
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)