チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月27日
<速報>昨日3人目の焼身 ルチュで3児の父が焼身・死亡 内地87人目
11月26日、現地時間午後6時頃、アムド、ルチュ・ゾン(甘粛省甘南チベット族自治州碌曲県)アラ郷にあるアラ・デウゴ僧院(ཀླུ་ཆུ་རྫོང་ཁོངས་ཨ་ལ་དེའུ་མགོ་དགོན་པ་)の本堂前でゴンポ・ツェリン(མགོན་པོ་ཚེ་རིང་)、24歳が中国政府のチベット弾圧に抗議するために焼身、その場で死亡した。
彼は焼身しながら、「チベットには自由が必要だ!人権が必要だ!ダライ・ラマ法王をチベットへ!」等と叫んだ。直ぐに僧侶、その他チベット人が遺体を僧院内に運び込み、付近の村からも大勢チベット人が集まり、法要が行われている。また、当局もすぐに軍と武装警官隊を地区に派遣し、厳戒態勢が敷かれているという。
ゴンポ・ツェリンはルチュ県アラ郷ポクツァ村の出身。父の名はワンギェル(43)、母の名はナムロ。彼は結婚しており、妻の名前はナムギェル・ドルマ(26)。彼女との間に3人の子供がいる。ツェリン・サムドゥプという6歳の息子、ツェリン・ドルマという3歳の長女、ツェリン・ラモという2歳の次女である。
ルチュでの焼身は11月22日、タムディン・キャプの焼身に続き、2人目。25日の朝、タムディン・キャプの葬儀が行われたばかりであった。
内地焼身87人目(亡命政府発表85人目)、内死亡確認72人。内外合わせ焼身者90人目、内死亡確認73人。今月23人目。今月4日から26日までの23日間に23人焼身したことになる。1日平均1人づつ。
参照:27日付けTibet Expressチベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/9721-2012-11-26-18-35-44
26日付けRFA英語版http://www.rfa.org/english/news/tibet/protest-11262012131404.html
同チベット語版http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/four-self-immolation-in-two-day-11262012150026.html
26日付けphayulhttp://www.phayul.com/news/article.aspx?id=32525&t=1
チベット内地焼身・主な抵抗運動発生地点地図+焼身者名簿(Tsampa Revolution制作、英語版 ルチュのゴンポ・ツェリンは含まれていない)
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)