チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月26日
アムド、チャプチャで大規模な学生抗議デモ 負傷者多数
今日、現地時間早朝6時頃から、アムド、チャプチャ(མཚོ་ལྷོ་ཁུལ་གསེར་ཆེན་རྫོང་ཆབ་ཆ་གྲོང་རྡལ་青海省海南チベット族自治州共和県共和)で衛生学校(གསོ་རིག་སློབ་གླིང་)の生徒1000人以上が、中国政府のチベット政策に抗議する平和的大規模デモを行った。
これに対し、当局は部隊を派遣し、デモが始まり2時間後には学生たちの行進を阻止し、激しい暴力を加えた。これにより多くの学生が負傷した。負傷者の内20人ほどが病院に運ばれ、この内重傷者4人が緊急治療を受けたという。
部隊が多数発砲した音が聞かれたというが、これが威嚇のためだったのか、学生に向けてのものであったのかは未だ不明である。
宣伝部が張り出したという公布。
学生たちは「民族平等、民族自由、言語平等、政権交代」等を訴えるスローガンを叫んだ。また、学生たちは昨日、共産党宣伝部が「民族の言語を学んだり、民族の権利や自由を求めたり、焼身などの行為は愚かでばかばかしい選択である」などの10項目の諷刺と侮辱が書かれパンフレットを学校等に撒いたことに反発し、これがきっかけとなってデモが起ったという。
現在、学校は部隊により完全に包囲され、外部との接触が断たれ、地区への電話も遮断されているという。
チャプチャでは2010年10月に学生による「民族平等、言語平等」を訴える大規模なデモが発生している。参照>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51517239.html等。
参照:26日付けTibet Net 英語版http://tibet.net/2012/11/26/many-students-seriously-injured-in-massive-protest-in-tibet/?utm_source=feedburner&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+CTA-FlashNews+%28Central+Tibetan+Administration+≫+Flash+News%29
26日付けTibet Expressチベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/9718-2012-11-26-08-10-00
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)