チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月16日
フランスのチベット僧院でイギリス人僧侶が焼身、死亡 中国政府への抗議の焼身か?
昨日、11月15日現地時間午後4時50分頃、フランスのトゥルーズから40キロ程離れた場所にあるゲルク派の「ナーランダ僧院」の庭で外人僧侶が焼身した。
この僧侶はイギリス国籍で名前はトンデンと発表されているいるが、これはチベット式法名と思われる。年齢は38歳。この僧院でチベット仏教の僧侶になり5年目という。追記:名前はDavid Alain。
ただ、彼は焼身の前に遺書や書き置きを残しておらず、また焼身を直接目撃した人もいないということで、これが「チベット人への連帯を示し、中国政府に抗議するための焼身」であったかどうか、今のところはっきりしていない。警察が現在、動機や目的を調査中とのこと。
このナーランダ僧院は1981年に創立され、現在の管長はラマ・ロプサン・テンダル、25人の僧侶と20人の俗人が常住しているという。
ナーランダ僧院のホームページは>http://www.nalanda-monastery.eu
チベット人は「これは中国に対する焼身抗議である」と思う事であろう。だとすれば、外人がチベットのために焼身抗議を行ったという最初のショッキングなケースとなる。もう少しすれば真相が判明すると思われる。
参照記事:15日付けRFA中国語版http://www.rfa.org/mandarin/Xinwen/jyxw-11152012162248.html
フランス語紙ladepeche.fr http://www.ladepeche.fr/article/2012/11/16/1490026-labastide-saint-georges-le-moine-bouddhiste-s-immole-par-le-feu.html
フランス語紙midi-pyrenees.france3http://midi-pyrenees.france3.fr/2012/11/16/le-moine-bouddhiste-s-immole-par-le-feu-144378.html
16日付けphayul(英語)http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=32455&article=British+national+Buddhist+monk+self-immolates+in+France
追加写真:僧侶トンデンは9月7日にトゥルーズで行われた「真実のトーチリレー」に参加していた。写真右端チベット国旗の左手。彼がチベットのために焼身抗議を行った可能性は高い。
フランス、ナーランダ僧院の僧侶たち
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)