チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月15日
<速報>今日再び レゴンで2人が別々に焼身 2人とも死亡 1人は女性 今月12日間に12人
レゴンに至る道の上で18歳の若者が1人
今日11月15日、現地時間午前11時頃、レゴン(རེབ་གོང་レプゴン 同仁)県ギェルポ・ルチュ草原(རྒྱལ་བོ་ཀླུ་ཆུ་ཐང་)からロンウォ鎮に向かう途中にあるコンセンド(ཁོང་གསེང་མདོ་穴の開いた岩)と呼ばれる場所で、カンブム・ギェル(མཁའ་འབུམ་རྒྱལ་)、18歳が焼身抗議を行い、その場で死亡した。
これを知ってチャガ僧院の僧侶と一般のチベット人数百人が現場に集まり、遺体は当局に奪われることなく、現在葬儀が行われているという。
カンブム・ギェル生前の写真(幼いころか)
カンブム・ギェルはレゴン県ギェルポ・ルチュ郷チュザ村の出身。父の名はタムディン・ギェル、母の名はドルカル・ツォ。その他の詳細は未だ不明。
参照:15日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6911
15日付けphayulhttp://www.phayul.com/news/article.aspx?id=32451&article=Breaking%3a+Young+Tibetan+burns+self+to+death
その他、新華社が同じレゴン県で14歳のKarpongyaと言う名の少年が焼身し、死亡したと伝えるが、これが上記のカンブム・ギェルのことなのかどうか、不明である。
新華社の報道を伝えている英語メディアhttp://yeoldefalseflag.com/thread-tibetan-boy-14-dies-in-self-immolation
23歳の女性が1人
同じく今日、現地時間正午頃、レゴン県ツェンモ郷ゴゲ村(བཙན་མོ་མགོ་དགེ་སྡེ་བ)の23歳になるティンジン・ドルマ(ཏིང་འཛིན་སྒྲོལ་མ་)というチベット人女性が村のお堂の前で、中国政府に対する抗議の焼身を行い、その場で死亡した。
ある人の話によれば、彼女は携帯電話、腕輪、お守り等を家に残し、村のお堂に行き、焼香等を行った後、焼身したという。
現地時間午後10時現在、村人が集まり彼女の葬儀を行う準備はできており、ロンウォ僧院から僧侶たちが到着しるのを待っているところであるという。
ティンジン・ドルマの父の名はプロ(50)、母の名はタシ・ドルマ(41)。
追記:16日付けTibet Timesによれば、ティンジン・ドルマの夫は漢人であったという。しかし、夫との仲はよく、一緒に両親の下で農業を行っていた。ティンジン・ドルマがガソリン4リットルあまりを買ったことを知った父親が、彼女を探し回ったが、見つけた時にはもう焼身して燃え尽きた後だったという。
参照:15日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6912
16日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6918
これで内地焼身者の数は76人となった。内、死亡確認62人。今月に入り、4日からの今日までの12日間に12人が焼身。その内の7人がレゴン。7日から今日までの9日間に11人。
追加写真。燃え尽きたタンジン・ドルマは自宅でダライ・ラマ法王の写真の下に安置された。
目を見開き、手を振り上げ、何かを訴えるために叫んでいるように見える。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)