チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月14日
12日、焼身・死亡したニンカル・タシの遺言
11月12日、レゴン県ドワ郷のケマル草原でニンカル・タシ(24)は抗議の焼身を行い、その場で死亡した。(詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51769134.html)彼が焼身する前に綴っていた短い遺書の写真が、昨日RFAにより発表された。
彼はその中で、「600万のチベット人には自由と独立が必要だ。母語を学ぶ自由が必要だ」と訴え。自分の焼身は「中国政府に抗議するためだ」と明記している。
以下、その仏壇に掲げられていると思われる遺書の写真と全文日本語訳。
ダライ・ラマとパンチェン・ラマ、このお二人を頂く、
600万のチベット人には自由が必要だ。チベットには独立が必要だ。
チベット語を学ぶ自由が必要だ。母語を知る自由が必要だ。パンチェン・ラマは解放されるべきだ。
ギャワ・テンジン・ギャンツォ(ダライ・ラマ)がチベットにお帰りになることが許されるべきだ。私は自らの身に火を放ち中国政府に抗議する。
父タシ・ナムギェルはじめ家族のみんなよ、
心配したり苦しんだりする必要はない。
善なる仏法に帰依し、福徳の道を歩まれることを。私の希望は、600万のチベット人がチベット語を学び、母語を知り、
チベットの伝統的衣装を纏い、仲良く、団結することである。ニンカル・タシより
参照:13日付けRFAチベット語版http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/letter-from-Nyinkar-tashi-11132012162212.html
14日付けphayulhttp://www.phayul.com/news/article.aspx?id=32444&article=Six+million+Tibetans+want+freedom+and+independence%3a+A+self-immolator’s+last+message
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)