チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月7日
<速報>今日(7日)、再びレゴンで若い女性が焼身、死亡。他、ンガバで3人、ディルで1人が焼身か?
焼身・死亡したタムディン・ツォ、生前の写真と焼身後自宅で法王、センゲ首相、前首相サムドゥン・リンポチェが一緒に写った写真の前に横たえられた姿。
phayul その他が伝えるところによれば、今日(11月7日)現地時間午後5時半頃、アムド、レゴン(レプゴン、རེབ་གོང་ 青海省黄南チベット族自治州同仁県同仁)ドワ郷(མདོ་བ་ཞང་)から15キロ離れたドロンボのケマル草原(སྒྲོ་རོང་པོའི་གད་དམར་ཐང་同仁县 牧区多哇乡交隆务村的凯玛唐)で23歳のチベット人女性タムディン・ツォ(རྟ་མགྲིན་མཚོ་)が中国政府のチベット政策に抗議する焼身を行い、その場で死亡した。
目撃者の話によれば、彼女は焼身しながら「ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!」と叫んだという。遺体はドワ僧院の僧侶たちにより家族も下に届けられた。現場には300台の車、3000人以上のチベット人が集まり、祈りの経を唱えると共に、「ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!ダライ・ラマ法王の長寿を!チベットに自由を!」等のスローガンを叫んだという。彼女は遊牧民であり、焼身した場所は冬の牧草地という。
彼女はこの数ヶ月の間、チベットのために焼身した人々のために、マニを唱えたり、ニュンネ(断食修行)を行ったり、灯明を捧げることに熱心だったという。
タムディン・ツォはレゴン県ドワ郷ド・ロンウォ村第4地区の出身。ニンジャン・ツェリンという5歳(或は6歳)になる息子を残した。父の名はタムディン・キャプ(50)、母の名はクンチョク・ツォ(44)。
内地焼身66人目、死亡確認55人目。
その他、現時点では未確認であるが、他に今日ンガバで3人、ディルで1人が焼身したという情報も入っている。
参照:7日付けphayulhttp://www.phayul.com/news/article.aspx?id=32394&article=Breaking%3a+Tibet+burns+on+eve+of+crucial+China+meet
7日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6871
残された息子ニンジャン・ツェリン
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)