チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月4日
<速報>今日、レゴンで新たな焼身 内地65人目
今日(11月4日)現地時間午前10時半頃、アムド、レゴン(レプゴン རེབ་གོང་ 青海省黄南チベット族自治州同仁県同仁)にあるロンウォ僧院前でチベット人若者が焼身抗議を行い、その場で死亡した。
追記:焼身したチベット人の名前はドルジェ・ルンドゥップ(རྡོ་རྗེ་ལྷུན་འགྲུབ་)、25歳。妻ヤンモ・ツォと4歳になるむ息子クンサン・ドルジェ、2歳になる娘ティンジン・ドルマを残す。彼はタンカ(チベット仏画)絵師であった。
彼は焼身しながら、「チベットには自由が必要だ!ダライ・ラマ法王をチベットへ!今、私の願いは叶った!」と叫んだという。
内地焼身65人目、その内死亡確認54人目。
遺体は直ぐにロンウォ僧院前のドルマ広場に運ばれ、そこにあるドルマ菩薩像の前に横たえられ、ダライ・ラマ法王の写真が掲げられ、僧侶たちが法要を行った。
このレゴンではこれまでに2人のチベット人が焼身している。今年3月14日、ロンウォ僧院僧侶ジャミヤン・ペルデン(འཇམ་དབྱངས་དཔལ་ལྡན་34)がドルマ広場で焼身した。(詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51734853.html)彼はその後、僧院の部屋で治療を続けていたが、半年後の9月29日に死亡している。
3日後の3月17日には僧ジャミヤンの親しい友人であるソナム・タルギェ(44)が焼身し、その場で死亡している。(詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51735512.html)
両名が焼身した後、数千人のチベット人があつまり、抗議デモが行われた。
今回焼身抗議があった、レゴンは最近焼身抗議が連続して発生したサンチュやツゥに非常に近い所にある。
昨日はカンゼ、タウで壮絶な焼身を行い、死亡した尼僧パルデン・チュツォの一周忌であった。>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51714359.html
参照:4日付けphayul http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=32370&article=Breaking%3a+Tibet+continues+to+burn%2c+Another+Tibetan+sets+self+on+fire
4日付けTibet Times チベット語版
http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6857
(追加写真)焼身したドルジェ・ルンドゥップの遺体は約6000人のチベット人が見守る中、午後3時頃荼毘に付された。荼毘に付された、場所は一般人の葬儀場ではなく、僧院のラマなど特別の人に限定された葬儀場という。ここで、荼毘に付された最初の一般人は3月17日に焼身したソナム・タルギェであり、彼が2人目という。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)