チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年10月20日
<続報>先ほど伝えた今日の焼身に関するより詳しい情報
焼身、死亡したラモ・キャプの年齢は27歳、ボラ郷ドクガプマ村(འབོ་ར་སྒྲོག་འགབ་མ་སྡེ་བ་)出身、父の名はトプデン、母の名はニンモ・タルロ。焼身の現場はボラ僧院近くの国道213号線上。
大きな雄叫びと共に「法王をチベットに!」等と叫んだというが、はっきりと聞き取れた者はいないという。
目撃者の話によれば、「彼は炎に包まれながら、僧院に向かって走った。普段僧院を巡回している警官たちが発見し、彼に近づこうとしたが、彼は構わず警官がいる方に向かって走り続けた。警官はこれを見て逆に逃げた。その後、数歩前に進んだところで地に倒れ、その場で死亡した」という。
その後、集まった警官と僧侶、一般人の間にちょっとした衝突があったが、数に勝る僧侶とチベット人が遺体をボラ僧院の集会堂に運び、大勢の僧侶が追悼の法要を始めた。焼身を聞きつけた周辺のチベット人が大勢僧院に集まり、法要が続けられた。法要が一段落したところで、遺体は家族の下に送られた。
残された妻ドルジェ・キは28歳前後、長女ドゥクモ・ツォは10歳、次女ペマ・ツォは7歳という。
参照:20日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6778
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)