チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年10月13日
<速報>今日 再びツォエで焼身 57人目
今日、現地時間午後1時頃、アムド、ケンロ、ツォエ(ツゥー མདོ་སྨད་ཀན་ལྷོ་ཁུལ། གཙོད་ 甘粛省甘南チベット族自治州合作市)にあるツォエ僧院仏塔前でチベット人男性タムディン・ドルジェ(又はドルジェ・ツォ 57歳?རྟ་མགྲིན་རྡོ་རྗེ་)が中国政府のチベット政策に対する抗議の焼身を行い、その場で死亡した。
焼身場所は僧院右手にある仏塔の前で、ここは8月7日に2人も子供を残し焼身抗議、死亡したドルカル・ツォ(又はドルカル・キ)が焼身した場所と同じである。http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51756880.html
彼は7世ジェ・グンタン・リンポチェ(རྗེ་གུང་ཐང་རིན་པོ་ཆེ་)の母親の父(祖父)であるという。その他、年齢等は未だ不明。
遺体は家族の下に運ばれ、ツォエ僧院の僧侶たちが法要を行っている。ツォエ僧院には、すでに軍隊や警官が大勢出動している(左写真)。
内地焼身者57人目(亡命政府発表55人目)、内死亡確認47人目(亡命政府発表45人目)
アムドのこの辺りでは「もしも焼身者の数が200人になったら、奇跡が起き、チベットが自由になる」という噂が流れているという。
追記:グンタン・リンポチェは代々、この辺りでもっとも大きく、ゲルク派6大僧院の1つでもあるラプラン・タシキル僧院の座主である。6世が2000年に亡くなられた後、2005年に2002年生まれの子供が正式にその7世として認定された。詳しくは>チベット式http://tibet.cocolog-nifty.com/blog_tibet/2005/08/post_c043.html
この7世の祖父が焼身抗議を行い、死亡したとなると、これは地元に取っては大きなショックであり、その影響は大きいと思われる。
参照:13日付けTibet Expressチベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/9402-2012-10-13-09-05-38
13日付けTibet Times チベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6743
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)