チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年9月30日
3月に焼身の僧ジャミヤン死亡
今年3月14日、アムド、レプコンで中国政府に対する抗議の焼身を行った、ロンウォ僧院(རོང་བོ་དགོན་ཆེན་隆務寺)僧侶ジャミヤン・ペルデン(འཇམ་དབྱངས་དཔལ་ལྡན་34)が昨日午後7時頃、自らの僧坊の中で静かに息を引き取った。6ヶ月半に渡る病闘生活の末であった。現在僧院僧侶が全員集まり追悼会が行われているという。
レプコンでは彼がロンウォ僧院のドルマ広場と呼ばれる前庭で焼身を行った後、大勢のチベット人たちがドルマ広場に集まり、彼の無事を祈るお経を上げると同時に「チベットの自由と法王帰還」を要求する抗議デモを行った。さらにレプコンをはじめ周辺の3つの県で中学生たちが「言語平等、民族平等」を訴える抗議デモを行った。詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51735031.html
そして、彼が焼身した3日後の3月17日には彼の親しい友人でもあった遊牧民ソナム・タルギェ(44)がレプコンの武警詰め所の前で焼身を行い、その場で死亡している。詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51735512.html
僧ジャミヤン・ペルデンは焼身後直ぐに一旦近くの病院に運び込まれたが、その後僧院に運ばれ、死亡するまで僧院で治療を受けていた。その間、警官が何度も彼の下に来て、尋問を行った。されに、当局は彼を匿うことは違法であり、すぐに当局に引き渡すよう要求していた。しかし、僧院側は騒ぎを大きくしたくないならここまま僧院で治療を受けさせるべきだと主張し、最後まで彼を引き渡さなかった。
内地焼身者の内、死亡確認44人目(亡命政府に従えば42人目)。
参照:29日付けRFAチベット語版http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/tibetan-monk-jamyang-palden-died-today-09292012155133.html
29日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6690
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)