チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2012年9月4日

シルカル僧院から5人/ボラ僧院僧侶逮捕リスト

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zelkar2写真は僧院に部隊が押し掛けたところ(Tibet Express より)

シルカル僧院僧侶5人連行

9月1日午前10時頃、ジェクンド(ケグド、ユシュ、玉樹)州ティンドゥ県ガトゥ郷(ཡུལ་ཤུལ་ཁྲི་འདུ་རྫོང་སྒ་སྟོད་ཡུལ་ཚོ་)にあるシルカル僧院(ཉ་འཚོ་ཟིལ་དཀར་བཤད་སྒྲུབ་དར་རྒྱས་གླིང་དགོན་པ་ニャンツォ・シルカル・シェドゥプ・ダルゲリン)に数百人の武装警官隊と軍隊が押し掛け、僧侶5人を連行した。

突然僧院に押し掛けて来た部隊は僧坊を捜索し、パソコンやCD等を押収した。なぜこの5人が連行されたのかは不明だが、内1人は部隊の写真を撮ったことで連行されたのであろうと言われている。

qq5人の名前は(写真上段左より)ソナム・イクネン(44)、ロプサン・ジンバ(30)、(下段左より)ンガワン・モンラム(30)、ツルティム・ケルサン(25)、ソナム・シェラップ(45)。

彼らが連行されるとき、他の僧侶たちが彼らを解放するよう懇願した。しかし、聞き得れられず、部隊は懇願した僧侶に殴り掛かり、数名が負傷したという。

シルカル僧院は今年2月8日のラカルの日に大規模な抗議デモを行っている。この時のビデオと記事>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2012-02.html?p=2#20120211

710今年6月20日には、元シルカル僧院僧侶テンジン・ケドゥプ(24)とンガワン・ノルペル(22)が焼身抗議を行っている。詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2012-06.html#20120620
テンジン・ケドゥプはその場で死亡したが、ンガワン・ノルペルは焼身後一旦このシルカル僧院に匿われた。

先週のラカルの日には地区の商人のグループが屠殺場に運ばれようとしていた羊やヤギを放生するためにこの僧院に羊とヤギを預けた。>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51759755.html

シルカル僧院は860年に創建された由緒ある僧院である。最初はカギュ派であったが、後ゲルク派に改宗した。嘗ては1000人以上の僧侶が在籍する大僧院であったが、現在は500人ほどに減っているという。それでも、この地区最大の僧院であり、地域の人々に広く仏教を教え、チベットの文化を守る拠点になっているという。

参照:4日付Tibet Expressチベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/9131-2012-09-03-13-44-24
4日付Tibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6558
3日付RFAチベット語版http://www.rfa.org/tibetan/chediklaytsen/khamlaytsen/kham-stringer/chinese-police-arrested-five-tibetan-monks-from-yulshul-09032012102533.html

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ボラ僧院僧侶逮捕リスト

318467_492880154057818_1547492850_n僧ケルサン・ギャンツォ

昨日のブログでサンチュ、ボラ僧院の僧侶ケルサン・ギャンツォが拘束されたと伝えたが、地区のある警察署で彼を含め20人の逮捕リストを見たという報告が入った。そのリストには名前と写真、携帯番号、住所が記載されていたという。

今年3月20日にはボラ僧院の僧侶約100人がチベット国旗を手に持ち、法王の写真を掲げて抗議デモを行っている。>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51736267.html
この逮捕リストはこのデモに参加した僧侶を中心とするものと思われている。

僧ケルサン・ギャンツォも逮捕を察して、逃げていた。その他多くの僧侶が逃亡しているという。

参照:ཁ་བརྡ་http://www.khabdha.org/?p=33266

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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