チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年8月31日
ラカルにザトゥで放生
8月29日、この日は週に一度のラカル(ལྷག་དཀར་ 白い水曜日、ダライ・ラマ法王誕生曜日)であった。カム、ジェクンド(ケグド、ユシュ、玉樹)州ティンドゥ県ザトゥ郷 (ཁམས་སྐྱེ་རྒུ་མདོ་ཁྲི་འདུ་རྫོང་རྫ་སྟོད་ཤང་)では、このラカルに合わせ、「ダライ・ラマ法王の長寿とチベット問題の早期解決」を願い、羊とヤギの放生が行われた。
この日、地区の商人のグループが、中国各地の屠殺場に送られようとしていた、羊とヤギ10万元相当を買い取り、シルカル僧院(ཟིལ་དཀར་དགོན་པ་)に持ち込んだ。シルカル僧院は近くのチベット人住民と協力し、これらの羊やヤギを死ぬまで面倒見ることを約束し、羊たちを付近の草原に放った。
このザトゥ郷では今年6月20日、元シルカル僧院僧侶テンジン・ケドゥプ(24)とンガワン・ノルペル(22)が焼身抗議を行っている。詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2012-06.html#20120620
テンジン・ケドゥプはその場で死亡したが、ンガワン・ノルペルは焼身後一旦このシルカル僧院に匿われた。その時のビデオが伝わっている。その後、彼は警官により連行され、現在病院に収容されていると思われる。
参照:30日付Tibet Expressチベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-35-27/9097-2012-08-31-04-32-47その他
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)