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チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年8月29日
焼身抗議者が50人を越え、昨日と今日ダラムサラでは
ダラムサラでは昨夕、地区TYC(チベット青年会議)及び地区TWA(チベット女性協会)主催で前日27日にンガバで焼身抗議を行い、死亡した僧ロプサン・ケルサン(18)とダムチュ(17)に哀悼の意を示すキャンドル・ライト・ヴィジルが行われた。
マイクを握り焼身の状況を説明したダラムサラ・キルティ僧院僧侶カニャック・ツェリンは「彼ら焼身した同胞たちが、行動を期待している対象は外国の政府ではなく、我々亡命チベット人たちだ。我々が彼らの死を無駄にしないよう、できるだけの努力をすべきなのだ」「まず、焼身した人々について詳しく知ろう。知識が増えれば自然に行動しようと思うであろう」と。
「ラカル」の今日29日、午前11時からはSFT(Student for Free Tibet)インド支部、及びTWA本部の主催により、ダラムサラ、マクロードガンジの広場で、「チベットの焼身抗議者の数が悲劇的マイルストーンである50人を越えた」として、これまでの内地焼身者51人(私はラガンの2人を含め53人とするが)の写真を胸や顔にあてた51人のチベット人が路上に横たわるというパホーマンスを行った。
その後、これまで遺書を残した焼身者たちの遺書が様々な人たちにより読み上げられた。このイベントはアメリカやヨーロッパの各都市でも同時に行われたという。(遺書の日本語訳は>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51754005.html 8月20日更新)
そのリリースによれば、目的は「中国の(チベット)失敗政策を終わらせるために世界的外交介入を求める」と言うもの。
SFTとTWAは焼身者が50人を越えたことを受け、その行動を強化すると約束する。
「中国政府は50人以上のチベット人が抗議のために焼身するという状況を作った。北京はその政策を変更し、部隊を引き上げ、焼身抗議を一夜にして終わらせる権限をもっている。しかし、北京はそうすることなく、逆にチベット人の苦しみと悲しみを深めされることばかりを続けている」とSFTインド代表のテンジン・ドルジェは言う。
「チベット内地で起っている悲劇的焼身は中国の政策が失敗していることの明らかな印だ。TWAはチベット人の命を救うために世界的介入を要請する。我々は世界中の政府に対し、この中国の(チベット)弾圧を止めさせるために様々な圧力を掛けることを求める」とTWA会長のタシ・ドルマは語る。
SFTはさらに来る9月5日を世界行動日とし、各国の外務省に対し、9月に行われる予定の国連人権委員会会合と国連総会に向けてチベット問題を議題にのせさせるためのロビングを行うという。
筆者プロフィール
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中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)