チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年8月11日
昨日焼身のチュパ 死亡
ダラムサラ・キルティ僧院によれば、昨日(10日)、ンガバ州ンガバ県メウルマ郷で焼身抗議を行った、チュパ(24)が同日午後3時頃、当局によりバルカムに運ばれる途中、死亡した。
遺体は当局により、バルカムで火葬され、遺灰のみ家族に渡された。
中国の旧正月に当たる今年1月23日、メウルメ郷では中国の圧政に抗議するヴィジルが行われ、100人以上のチベット人が参加した。彼はこのヴィジルを先導したチベット人の1人であった。ヴィジルの後、警察は彼を逮捕しようとした。これを知り彼は逃げていたという。
中国当局は家族の最後の願いである、遺体引き渡しまで拒否する。チベット人にとって伝統的葬儀を行う事は非常に重要なことなのである。遺灰のみ渡される家族の悲しみは如何ばかり。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)