チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2012年7月2日

世界を巡るチベット<真理のトーチリレー>

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120628104558KN亡命チベット議会は6月27日、ダライ・ラマ法王の77歳の誕生日である来る7月6日から、チベット内の人権状況の悪化を世界に訴え、国連の介入を求める<真理のトーチリレー>を行うと発表した。

<真理のトーチ>は7月6日にインドの3カ所、ラダックのレー、アッサムのシロン、ケララのコーチンを出発し、約3ヶ月を掛け、インドのほとんど全ての都市をカバーしながら進み、デリーの国連情報事務所前を最終目的地とする。その後、9月からは欧米をはじめ世界中を巡り、世界人権デーである12月10日にニューヨークの国連本部を最終目的地とし、リレー中にインドや世界中で集めた署名とともに、チベット問題への介入を要請する嘆願書を国連に手渡す予定である。
*インド内のルート地図>http://tibet.net/wp-content/uploads/2012/06/Route-Map.pdf
*<真理のトーチリレー>のチベット語は「བདེན་པའི་མེ་ལྕེ་སྐོར་སྐྱོད་」。英語では「Flame of Truth Relay」。

実行委員の1人であるカルマ・イシェによれば、アジアでは日本と台湾を巡る予定という。その他、サポートグループが招聘すれば世界中どこにでも行くとのこと。

以下、<真理のトーチリレー>委員会が発表したプレスリリース全訳。(原文英語http://tibet.net/2012/06/27/tibetan-parliaments-press-conference-on-flame-of-truth-relay/):

 チベットの重大で悪化の一途を辿る状況に鑑み、亡命チベット議会は2012年3月22日に招集された内部会議において幾つかの行動計画について話し合った。この時の話し合いに基づき、3月27日、その内の1つの行動計画として亡命チベット議会常任委員会は<真理のトーチリレー>を行うことを決定した。

 特に2008年以降、中国の保安部隊はチベット人弾圧を強化し、多くのチベット人が死亡し、無数の拷問が行われた。状況は日々悪化している。その結果、チベット人たちが次々と自らに火を放つという状況となっている。彼らの要求はチベット問題の平和的解決、ダライ・ラマ法王のチベット帰還、及び国連と国際社会に対し、心の奥に押込められたチベット人の願いと苦しみを知らしめるためである。チベットの現在の状況は地上の地獄の如くである。

 我々の同胞である兄弟姉妹の勇敢、無私な行為に連帯を示し、世界に向けて彼らの無私の行為と祈願を知らせるために、亡命チベット議会は、我々の敬愛するダライ・ラマ14世の誕生日である7月6日を期し、世界規模の<真理のトーチリレー>を開始する。その目的は以下である:

1. 国連は、1959年、1961年、1965年に採択された決議に基づきチベット問題について再度話会い、それらの議決に含まれる内容が実行されるよう引き続き努力すること。

2. 進行中であるチベットの危機を調査するために、独立の国際事実調査団を派遣すること。

3. チベット内地のチベット人たちの基本的願望が叶えられるために、国連は特別の責任を担うべきこと。

 これらの要求事項を支持するために、<真理のトーチ>が通過するインドを初め、世界中の国々からできるだけ多くの署名が集められる。この歴史的リレーは12月10日、ニューヨークの国連本部、ジュネーブの国連人権委員会、ニューデリーの国連情報事務所に対し、集められた署名とともに請願書を手渡すことにより終了するものとする。

 亡命チベット議会<真理のトーチリレー>委員会
 2012年6月27日、ダラムサラ

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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