チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年6月15日
<速報>今朝 アムド、チェンツァで焼身・死亡
チェンツァ市街。(百度百科より)
Tibet Times チベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6168その他が伝えるところによれば、今日早朝6時半頃、アムド、チェンツァ(གཅན་ཚ་རྫོང་青海省黄南チベット族自治州尖扎県尖扎)の武装警官キャンプ前でタムディン・タル(རྟ་མགྲིན་ཐར་)が中国のチベット政策に対する抗議の印に焼身した。
部隊が駆けつけ火を消した後、彼は拘束された。その後、地元のチベット人たちは彼を家族の元に引き渡す事を要求し庁舎前で声を上げた。午前11時頃、当局はこれに同意する回答を出したというが、その後どうなったかはまだ伝わっていない。
彼の生死についても、「病院に運ばれたのち死亡した」という情報があるが、未だ確認されていない。
追記(インド時間12時半):中国当局がタムディン・タルの死亡を確認、発表した。http://www.china.org.cn/china/2012-06/15/content_25657298.htm
追記2:現地時間の12時頃、遺体はチベット人側に引き渡され、故郷に送られた。
彼は遊牧民で最近政府の「遊牧民移住計画」に従い、チェンツァタン郷に移住させされたという。
現地では軍隊が増強され、緊張が高まっている。
ダムディン・タルはチェンツァ県チェンツァ郷ロワ村(གཅན་ཚ་རྫོང་གཅན་ཚ་ཐང་ཞང་ལོ་བ་སྡེ་བ་)出身。40歳前後と伝わっている。
チベット本土での焼身抗議はこれで39人目。死亡確認30人目。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)